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  3. IBSと逆流性食道炎について

多くの人が悩みをかかえている

IBSとは過敏性腸症候群といわれる腸の知覚過敏の状態で便秘や下痢の際にお腹が痛んだり不快感がする疾患です。
大腸の運動や分泌機能が異常をきたして起こる症状で、食生活のような身体的な要因と、セロトニン呼ばれる神経伝達物質が関係しているストレス反応による要因とがあります。
一般的に過敏性腸症候群にかかった場合、男性は腹痛や下痢を起こすことが多く、女性は便秘になることが多いです。

すぐに生死に関わる病気というわけではないですが、罹ると常にトイレの心配が伴うために生活の中で苦痛になる場面も多い病気であるため、きちんと通院して処方薬をもらうといった対処が必要です。
発症原因ははっきりと解明されていませんが、ストレスが加わるとその刺激で腸の動きがおかしくなってしまい過敏性腸症候群を発症するのではないかと言われています。

そして、その経験を繰り返すことで、少しのストレスでも症状が起こる状態になり悪循環を繰り返すようになってしまいます。
ストレス社会と言われるだけあって、最近では消化器内科の受診者の半数近くが過敏性腸症候群といわれるほど悩んでいる人がいる病気でもあります。

IBSと逆流性食道炎の関係性

逆流性食道炎も過敏性腸症候群も消化器系の病気ですが、この二つを併発している人が増えているという症例が増えています。
逆流性食道炎の患者数を過敏性腸症候群の人とそうでない人とで比べると、過敏性腸症候群の人はそうでない人の倍の患者数であったというデータがあり、併発をすることが言われています。

これは、逆流性食道炎の治療の中で処方される薬の中に胃酸の分泌を抑える成分があるために腸の感染症を起こしそれをきっかけに過敏性腸症候群を発症したり、副作用で重度の下痢を起こしたりするためです。
また、どちらの病気も脂っぽいものやアルコールの過剰摂取、ストレスが原因とされていることも併発する要因と考えられています。

治療法

過敏性腸症候群も逆流性食道炎も、治療にあたっては生活習慣の改善や精神療法、投薬治療といったものが行われます。
ストレスで自律神経の乱れが原因の場合にはストレスを解消することや精神的な不安定を解消していくことが必要です。
問題が根深く消化器科やないかでは解消できない場合には精神科や心療内科にかかる必要がある場合もあります。

また、生活習慣を改善して規則正しい生活をすることも自律神経の乱れを直すのに効果的です。
早寝早起きや、バランスのとれた食事、暴飲暴食を控える、禁煙、アルコールの摂取量を減らす、といったことで投薬治療を行わなくても自律神経が整っていくこともあります。
生活を改善しても効果が見られなかったり体調不良でなかなか思うように生活を改善できない場合には、胃腸の働きを調整する薬を服用することも必要です。

西洋医学に頼るのは避けたいという場合には、漢方薬を飲む方法もあります。
ただし、漢方薬だけでは完治が難しいですから精神面や生活面の立て直しと並行して服用することが望ましいです。